七年目の追悼〜2011・3・11

 

 轟く灰色が悲鳴を挙げながら

 その日多くを呑み込んだ

 肉体やコンクリートだけでは無く

 心も感情も全て跡形も無く

 呑み込んで逝った

 

 深い紺色を漂う肉体の悲鳴は聞こえず

 深紅の苛立ちに呑まれた生者が

 赦せる日はまだ見えず

 泣き叫ぶことが許されるなら

 深紅は空に溶けていくだろうか

 

 淡い橙の光が空を覆う季節

 どうか嫌いにならないでください

 新たな生命が芽吹く季節

 どうか悔やまないでください

 貴方が生きていく季節

 どうか恨まないでください

 

 心に深く刻まれた現実が

 心を蝕み身を刻むのならば

 大切な人と過ごした記憶を

 忘れないでいてください

 

 数多の感情を共にした季節

 どうか呑み込まないでください

 誰にも真似できないその思い出の数々

 どうか流さないでください

 

 愛することの喜びを知った季節

 喪うことの哀しみを知った季節

 想い想いの歳月を経たその季節が

 貴方の味方となりますよう

 心から祈ります

 

 足跡は消えてしまった

 痕跡は遺ったままでも

 これから歩んでいくその軌跡は

 きっと奇跡を生むと信じたい