混沌丸出し人生 其の五

 

 診断による「束縛」、それは他ならぬ、治療です。

 私の場合、I型糖尿病にはインスリンの自己注射、性腺機能低下症には男性ホルモン、と束縛されていました。もはや、緊縛といっても過言ではないでしょう。つむじから指先まで、ぐるぐる巻きでした。

 

 3割負担の保険でも、1ヶ月に数万円が通院、検査、薬となって消えていくのです。時には、その場で支払えなかった残金を後日、病院まで支払いに行くということが、何回もありました。悔しかったです、それは。

 

 それまでは生きていくために必要と思っていた治療が、すっ転んで起き上がり、ふらつきすっ転んで、また起き上がると思いきや、またすっ転ぶを繰り返すうち、治療のために生きているような錯覚が生まれていました。

 

 例えば、いつでも通院の予約調整ができるようにと、業務上の責任が比較的軽く、勤務時間に融通が効くアルバイト生活を選びましたけど、その選択がさらなる悪循環を生んでいきます。

 そこで産声を挙げた悪循環が、今度は双子の悪循環を生むのですから、精神衛生上、相当なグレーゾーンを彷徨っていたのでしょう。

 

 常に神経過敏で、イライラすることも多かったように思います。

 

 この続きはまた次回。

 見苦しい、聞き苦しい内容もあるかと思いますが、鍼灸師を志した一個人の、回想を踏まえた自己紹介ですので、心許す限り、お付き合いください。