混沌丸出し人生 其の一

 

 私は、14歳で糖尿病と診断され、修学旅行の前日には独り小児科病棟に旅した。

 今にして思えば、その病棟生活は学校などでは得られない、特殊な体験として、また貴重な経験として記憶に刻まれている。しかし、消灯時間以後の深夜に『エヴァンゲリオン』を観たり、昼寝して備えたのに寝落ちして観られなかったり、大部屋なのでお互いのテレビのチャンネルを、自分のリモコンで勝手に変えて喧嘩したり、そんな記憶ばかり。

 

  しかし、そこに入院していた少年たちは、たとえ重篤な疾患を抱えていても、笑った顔も泣いた顔も素敵だった。人間の記憶は美化されると言うが、汚くなるよりマシだと思う。

 記憶の美化はきっと、ヒトが生きていくための本能だろう。こう言う、自分に都合のいい解釈もまた、生きていくためのアレだ。

 

 およそ20年前の、恐らくジュラ紀だか、20世紀だかを思い出していたら、日が変わろうとしている。

 日本の夜明けが近そうだ。

 

 続きはまた今度に。